【建物解体工事業者の選び方】チェックポイント・費用・資格許可・トラブル回避
解体業者を選ぶ基準を明確に持って、失敗しない業者選びが大切です!
土地つきの建物を所有している方の中には、建て替えや売却の際に、建物を解体することを検討していらっしゃる方も多いかと思います。
税金などの問題で建物を土地の上に建てておくケースも最近では増えてきていますが、建物の老朽化や更地での土地売却を希望する場合には上物である建物を解体する必要があります。
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『ハウスメーカーではなく、自分で解体工事を依頼する場合(分離発注)、どこに頼めばよいのでしょうか?』
いざ、自分で解体業者を探そうと思った時に、上記のような悩みに直面する方が多いのも事実です。そこで、このページでは建物を解体する際の解体工事業者の選び方についてお教えします。
解体にかかる費用から業者選びのチェックポイントなど、解体業者選びのノウハウを詳細にまとめていますので、解体工事をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
解体業者選びの3つのチェックポイント
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「解体にかかる総額費用」を明示する業者かどうか
一般的な相場に比べて割高か割安か、他社との違いはどこか、適正な費用を提示する業者であるか見極める必要があります。
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「解体許可の認可」を得ている業者かどうか
解体工事を行うにあたって必要な許認可を受けているか、サイト情報・業者への確認などが必要です。
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「法令遵守」、「トラブル回避」に努める信頼できる業者かどうか
不法投棄をしないなど法律に従い、近隣トラブル回避にもしっかりと対応する業者は信頼できます。
解体業者を選ぶ際には、上記3点のチェックポイントを主に留意しておくと良いでしょう。費用や許認可については、これから詳しくご説明します。
建物の解体にかかる費用の相場
建物を解体する際にかかる費用の相場価格は、「木造」「鉄骨」「RC」など、建物の構造によって異なります。
一般的な家屋解体にかかる費用の相場価格については、以下の通りです。
「木造」家屋解体の相場価格 | 2.0万円~4.0万円/坪 |
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「鉄骨」家屋解体の相場価格 | 2.5万円~4.5万円/坪 |
「RC」家屋解体の相場価格 | 2.5万円~6.0万円/坪 |
解体費用の相場価格は「解体費用のみ」なので注意!
上記で示した家屋の解体にかかる相場価格は、あくまでも「解体費用のみ」にかかる相場の価格です。
実際の「解体にかかる全費用・解体総額費用」は外構工事などを含めると、異なる見積もりとなりますので注意しましょう。
事実、解体業者から解体費用に関する見積もりを提示してもらった際に、上の解体費用の相場価格よりも2倍程度まで見積もり価格が高くなるケースなどもあります。
最終的には現地調査をしなければ詳細な見積もりはわかりませんので、信頼できる業者を選んだら、実際に現場に来てもらい、現地調査を依頼してください。
解体前に知っておくべき「建築基準法」と「建築物除去届」とは
家屋を解体する場合には、自治体の市役所の建築課を通して知事への「建築物除去届」の提出が義務付けられています。
「建築物除去届け」は「建築基準法」に則った解体工事の届出の一つですが、通常は建物を解体する業者が提出してくれますので、個人が「建築物除去届」を提出する必要はありません。
なお、建物を解体した後同じ場所に建物を建てる「建て替え」をする場合には、「建築物除去届」ではなく「建築工事届」という届出書に「除去工事」という項目を追加して記入する形となる為、「建築物除去届」の届出は不要となります。
解体工事業者を選ぶ時に気をつけたい「業者の資格許可」について
家屋を解体する時の業者選びの際には、業者が「解体工事の資格許可を得ているかどうか」について気をつけておく必要があります。
特に重要なのが、「建設業法の第三条」です。
これは、「解体工事を行う者は都道府県の都知事から解体工事を行う許可を得ておく事」という法律です。
現在、日本の解体工事を行う事が出来る解体業者
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・建築工事の業者
・大工の業者
・とびと大工工事を行う業者上記の3種類のみに限定されています。
家屋を解体する際に業者選びを行う時には、上記3業種で看板を掲げているかどうかを見極めてから、解体工事を依頼する事をおすすめします。
なお、現在「費用が500万円未満の家屋の解体」については、「建設リサイクル法」という法律で認可された「解体工事業者」も解体工事を行う事が出来る」という取り決めがありますので、こちらもチェックしておくと良いでしょう。
解体時のトラブルを回避するには
家屋解体におけるトラブルには大きく分けて「解体業者とのトラブル」、そして「近隣住民とのトラブル」と2種類のトラブルがあります。
「近隣住民とのトラブル」を避ける為には
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事前の挨拶回り
解体工事前には必ず近隣の住民に挨拶回りをして解体工事を行う事をお知らせしておく。
挨拶回りの際には菓子折りなどを持参するとよりベターです。 -
近隣への配慮
解体工事の際には養生シートや防音シートなどをしっかりと設置して、近隣家屋への影響を最小限に抑える努力をする。
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クレーム対応
近隣住民からクレームが出た時には、すぐにクレームの対応を行う。
クレーム対応の際には解体業者任せにせず、出来れば家屋の所有者が対応を行うのがベターです。
「解体業者とのトラブル」を避ける為には
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許認可の確認
解体工事を依頼する前にその解体業者が「解体工事を行う許可を得ている認可業者なのかどうか」をきちんと確認しておく。
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見積もり明細の事前確認
解体工事を依頼する際には、どこからどこまでの工事なのか、明確にして事前に確認しておく。
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スケジュールなどの確認
事前に解体業者とメール等を使って解体の段取りについて、あらかじめ細かいやり取りをしておく。
【解体工事業社の選び方まとめ】
家屋の解体は大掛かりな工事となりますので、解体工事の際には今回ご紹介した「解体業者選びのチェックポイント」や「解体工事に関わる法律」についてしっかりと把握しておき、業者と依頼者が双方納得して解体工事を進めてゆく事をおすすめします。