過去の解体工事業者の不法投棄事件・実例
解体業者の不法投棄の実例
過去の不法投棄事件について知っておくことで、解体工事の依頼には充分注意し、トラブル回避に努めてください
豊島産業廃棄物不法投棄事件
1980年代、香川県土庄町・豊島の西端に島の産廃処理業者が廃材や廃油、ダイオキシンなどを含む汚泥などを不法投棄し土壌・水質汚染が深刻化。
住民の健康被害、環境問題に莫大な被害をもたらした日本最大級の不法投棄事件です。
投棄量は国内最大級の計約91万(推計)に及び、兵庫県警が廃棄物処理法違反容疑で逮捕した業者が有罪判決を受けました。
地元住民らが県や業者を相手に公害調停を申請し2000年に成立しました。
発端から2000年の公害調停の最終合意まで25年間を要すことになりました。
2000年から公費による原状回復の作業が続いています。一日300トン、西隣の直島に船で運んで溶融処理するものです。
2012年度末までの処理量は全体の6割の56万トン、廃棄物と汚染土壌の総量が93万8千トンであったことが判明し、処理完了は2017年3月になると見られています。
日本で初の大規模な原状回復と言う試みは困難を極めながら続いています。
青森県、岩手県、県境不法投棄事件
青森県八戸市の三栄化学工業(株)が埼玉県の産業廃棄物処理業者である縣南衛生(株)と共謀し、平成11年4月から11月にかけて、ごみ固形化物(RDF様物)約8千トンを両県にまたがる同社事業場敷地内に不法投棄した事件です。
廃棄物処理業者の責任が迫られていますが、現在追及されている業者が12,000社を超えています。
両県合計廃棄物量 約109.0万立方メートル(約157.0万トン)
(東京ドームの容量のおよそ4/5以上に相当します)
愛知県うなぎ養殖池不法投棄事件
愛知県西尾市にある養殖場跡地にごみを埋めたとして、産業廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、男5人が逮捕されました。
逮捕容疑は、所有する旧一色町沿岸部の養鰻(ようまん)場の池に今夏、家屋解体で出たがれきなど二十数トンを捨てたとされる事件。
ウナギの養殖池は1~1・5メートルの深さがあり、産廃業者には、穴を掘らずにごみを埋められるメリットがあるようです。
その他、わかりにくい不法投棄
解体現場から廃材の一部だけを不法投棄する方法
正規に処分されたマニュフェストは発行される為、不法投棄した内容まで把握するのは容易ではない。
余程の事がないと気づかれないケースがおおいが、まれに役所からの抜き打ち調査で判明する場合もある。
判明した実例
今年4月、京都市南区の業者が管理票不交付受託禁止で事業停止の行政処分をうけました。
昨年7月以降、産業廃棄物を排出した2業者からマニュフェストの交付を受けずに受託したというもので、市の抜き打ち検査で発覚しました。
環境省ホームページより抜粋
平成26年度に新たに判明した不法投棄事案
- 不法投棄の件数 165件 (前年度159件) [+6件]
- 不法投棄量 2.9万トン (前年度2.9万トン) [±0万トン]
新規事案については減少の傾向にあるようですが、撲滅には至っていないようです。
今後も定期的な検査、状況を確認していく必要があります。
法律を強化し取り締まりを厳しくしても、不法投棄がなくならない現状には驚かされるばかりです。